時期は全く違いますがバレンタインの思い出を・・・。
それは確か中学一年の頃。

そのときの隣の席に座っていた割とかわいい子(さっちゃん)がいました。
なぜか隣の席と机をくっつける制度になっており、授業中もたわいのない話をして盛り上がっていたのです。


そして運命のバレンタインデー。
男の子はこの日妙にそわそわします。
なんの期待もしていなくても、なぜか意識してしまうのです(笑)


今年もなにもなしかーなんて思って軽く落ち込んでいると、さっちゃんが妙にそわそわしています。
ぼくまでその空気を感じてそわそわしてました。


「ねえ、ちょっといい?」




さっちゃんのただならぬ様子に気が気ではありません。



「ん?なに?」



ぼくは冷静なフリをしてました。



「あのね。」



「うん。」



さっちゃんはなかなか切り出しません。
ぼくはどきどきしてきました。



「たっくんにはいつも隣の席でお世話になってるしね、これお礼。」




「ん?」
なんてとぼけながら心はウキウキです。





「はいっ!」












チロルチョコー!












しかも一個だけ。





すごく悲しい気持ちになりました。
さっちゃんのことは別に好きなわけでもなかったけれど、チロルチョコ、しかも一個のみ。かなり時間をかけてもったいぶって渡されたのにチロルチョコ。
いくつかまとめてくれるか、くれないほうがよかったです。
チロルチョコ一つ家に持って帰るのはすごく切なかったです。



でもありがと、さっちゃん。
うれしかったよ。たぶん。